【テクニカルはオカルト?】日経平均データから検証するゴールデンクロスの成績

データ分析

ゴールデンクロスなどのテクニカル分析はオカルトと表現されることまでありますが実際のところどうなんでしょうか?

この記事では20年分の日経平均データを用いて、テクニカルでよく使われるゴールデンクロスでもうかるか検証していきます。

この記事を読むことで、ゴールデンクロスはどの程度あてになるか分かります。また、テクニカルの難しさも理解できると思います。

データ

2002年6月から、2022年6月までの4925日分(約20年)のデータを使っています。

データはinvesting.comから取得しました。

この20年の上昇率は2.35倍になっています。

ゴールデンクロスとは

ゴールデンクロスとはテクニカル分析で使われる用語で、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜ける状況のことです。

ゴールデンクロスが起こると、上昇トレンドが始まると言っている本もあります。

テクニカル分析は根拠のないオカルトだと言っている本もあります。

ゴールデンクロスを試してみる

ひとまず検証していきましょう。

この記事では短期移動平均を5日、長期移動平均を25日で計算します。

買いと売りのルールを決める必要があります。買いは簡単そうですが、売りはひとまず検証用に以下にします。

買いルール:5日移動平均線が、25日移動平均線を下から上に突き抜けた場合
売りルール:10%上がった場合利益確定。10%下がった場合損切とします。

結果の1000日分のチャートを示します。図の赤丸で買い、黒丸で売りとなります。
※買っている最中に再度ゴールデンクロスが発生しても、無視するものとします(直近のゴールデンクロスに資金を集中)

全期間の利益推移は以下です。

残念ながらこの方法では、20年では100万円あった資産が、80万程度に落ちてしまっています。

ゴールデンクロスは意外と多く、上昇していかないものも多い

10%で利確・損切ルールでは資産を減らしてしまいました。原因は何でしょう。

ゴールデンクロスの発生ですが、図を見ると意外と多いことが分かります。

ほとんどのケースでは、上昇トレンドに乗ってくれず、下降しています。

買いルールを変更して、上昇トレンドに乗れば買いとしたいです。

長期移動平均が上を向いたら買いとしましょう。

買いルール:5日移動平均が、25日移動平均を下から上に突き抜けた後、25日移動平均が前日よりも0.2%以上上昇したら場合
売りルール:5日移動平均が、25日移動平均を下回った場合

結果の1000日分のチャートを示します。図の赤丸で買い、黒丸で売りとなります。

全期間の利益の推移は以下です。

20年では100万円あった資産が、216万円になっています。

日経平均の長期保有では20年で2.35倍なので、まだパフォーマンスは足りません。

もう少し改良

移動平均が上を向くまで待っていたら、買い時も遅くなって、上昇トレンドの一部を逃しているように見えます。

今回のゴールデンクロスでは5日移動平均が上がるのを待っているので買い時が遅くなっており、そこからさらに25日線の上昇を待って遅れることになってしまいます。

「ウォール街のランダムウォーカー」にも、

チャーティストはトレンドが形成された後にしか投資することはしない。市場では、株価の急反転は別に珍しいことではない。そのため、チャーティストは、しばしばタイミングを失することになるだろう。

ウォール街のランダムウォーカー 12版

とあり、長期移動平均の上昇を待っていては、タイミングをさらに逃すことになります。

移動平均を超えれば買い、下れば売りとしてみましょう。

買いルール:5日移動平均が、25日移動平均を下から上に突き抜けた場合
売りルール:5日移動平均が、25日移動平均を下回った場合

結果の1000日分のチャートを示します。図の赤丸で買い、黒丸で売りとなります。

全期間の利益の推移は以下です。

20年では100万円あった資産が、233万円になっています。

長期保有では20年で2.35倍なので、ほぼ同じくらいまで持ってこれました。

ただし、手数料、分配金を考えるとこれでも足りません。。

まとめ

短期投資のメリット・デメリットは関連記事も参照ください。

もっといろいろな検証すれば良い方法が見つかるのかもしれませんが、特に投資初心者には難易度が高いと思います。

また、手数料、分配金、手間を考えると、日経平均で今回のゴールデンクロスはおすすめしません。

長期保有をおすすめします。ちなみにS&P500は同じ期間で4倍になっています。

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