【知っていれば得をする】ただ積み立てるより1.7倍得をするS&P積み立て戦略

データ分析

S&P500に連動するインデックスファンドへの投資は人気ですが、数カ月で20%程度の乱高下は時々起こります。乱高下の時期には投資初心者の方の中には積み立てを続けていてよいか不安な人も多いと思います。
この記事を読めば、効率的な積み立て方法を学べます

データ

この記事のデータはS&Pグローバルより取得しました。このデータには実績PERのみが記載されていたため、この記事では実績PERを用いて議論します(一般にアメリカ株の議論では予想PERが使われることが多いです)。また、S&Pの推移のみに着目していますので、分配金や為替変動は考慮していません。

単純に積み立てた場合も十分良い結果

毎月一定額を20年積み立てた場合の結果です。
投入金額の133%上昇しております。


みずほ証券の積立シミュレーター日経平均を20年積み立てた場合のパフォーマンスが109%なので、十分良い結果と言えます


グラフの赤い丸は購入ポイントを示しています。毎月積み立てなので、等間隔で並んでいます。

2002年からS&Pを毎月購入した場合

割高な時に積み立てを見送る

割高判断はPERを用いることにします。

実績PERの1988年からの平均は24倍です。
リーマンショック時など、景気が悪いときやバブル期は40倍を超えています。
そのため、40倍越え時は異常値としてノーカウントとすると、平均は22倍になります。

S&P500の実績PER推移

割高の時や分からない会社には手を出さない戦略はウォーレン・バフェットが言及している

株式市場ではストライクをコールされることはありません。
(The stock market is a no-called-strike game.)

を参考にしております。

PERが22倍以下の場合に積み立てた場合のグラフは以下です。
パフォーマンスは143%で、単純積み立ての133%よりわずかに良い程度にとどまっています。
パフォーマンスが上がらない理由はグラフを見れば明らかです。
赤い丸は購入ポイントを表しています。市場が過熱している時期をうまく避けていますが、景気が悪いときのバーゲンセール時期を逃してしまいます。

2002年からS&PをPERが22倍以下の時だけ購入した場合

改善策として、以前に購入した価格よりも安ければ買うことを条件に加えるとこの問題をクリアできます。
この時のパフォーマンスは230%になり、単純積み立ての133%よりも1.7倍高いパフォーマンスになっています。
グラフを見ても、バーゲンセールの買い逃しがなくなっています。

2002年からS&PをPERが22倍以下の時、または、以前購入した値段よりも安い時 購入した場合

現在のS&Pの実績PERを調べるには、Wall Street Journalがおすすめです。S&P IndexのP/E RATIOに記載があります(ESTIMATEではない方が実績PERです)。

単純積み立てよりも手間は増えますが、実績PERなどの用語の勉強にもなり、過熱気味の相場には手を出さなくて済むので、おすすめです。

注意点として、買う回数が毎月積み立てよりも少なくなります。そのため、一回の購入金額を毎月積み立ての場合よりも多く(目安2倍以内)しておくことをおすすめします。

まとめ

日経平均の20年の単純積み立てパフォーマンスは109%

S&P500の20年の単純積み立てパフォーマンスは133%

S&P500の20年の実績PER22倍以下、または、以前の購入価格よりも安い場合は購入した場合のパフォーマンスは230%

少し手間ですが、実績PERを参考にしながら、市場が過熱気味の時は見逃すのもよい戦略です。

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