ツイッターやブログ・書籍などで様々な投資手法が紹介されています。他人の投資手法はどこまで信じてよいものなのでしょうか?この記事を読むと、他人の投資手法を採用する危うさを理解できます。また、再現性の高い投資手法についても紹介します。
その勝利は偶然?
以下の単純なゲームについて考えます。
- 50%の確率で1万円を獲得
- 50%の確率で1万円を失う
100回このゲームを繰り返した場合、100勝0敗の人は100万円儲かりますが、ほぼ発生しません。上位者の成績と割合は以下のようになります。
- 10万円以上勝つ人(55勝45敗):18.4%
- 20万円以上勝つ人(60勝40敗):2.8%
- 30万円以上勝つ人(65勝35敗):0.2%
参加者が1万人いた場合、上位の人数は以下の表のようになります。
成績 | 割合 | 1万人中何人 |
10万円以上 | 18.4% | 1840人 |
20万円以上 | 2.8% | 280人 |
30万円以上 | 0.2% | 20人 |
この数をどう感じるかは人によると思いますが、20万円以上稼いだ280人のうち何人かはツイッターで成績をつぶやきそうな気がします。
簡単なゲームについて議論していましたが、株式投資においても似たようなゲームは可能です。つまり、適当な銘柄を購入し、1万円利益が出たら利益確定、1万円損失がでたら損切とした場合、同じような確率のゲームになります(手数料は減っていきますが。。)。
ツイッターなどで自分の成績を披露している人がいますが、その手法は勝率50%のゲームで偶然利益が出ている可能性は否定できません。投資手法に関する書籍もたくさんでているのですが、怪しいものがたくさんあります。
それら手法を真似しても、勝てるかどうか分かりません。本人でさえも今後勝ち続けるかどうかは分からないのです。
投資の神様の成績も偶然?
上記の議論であれば、投資の神様といわれるウォーレン・バフェットの成績も偶然である可能性が否定できません。興味深いことに、この議論に対して、1984年にウォーレン・バフェット自身が答えている記事がコロンビア大学のWebサイトに公開されています。
そのバフェットの記事では以下の内容が述べられています。
コイントスゲームを2億2500万人(当時のアメリカ人口)で実施する場合を考えます。このゲームでは1ドルから開始しして、1回勝つごとに賞金が倍になっていきます(負けた時点で0になって退場します)。
20回連続で当て続けられる人は、2億2500万人中の215人です。
20回連続で勝つと約100万ドル(2の20乗)になります。勝った人の中にはコイントスゲームで100万ドル稼ぐ方法について本を出す人もいるでしょう。
このコイントスゲームの勝者は完全に偶然で、215人はアメリカ中に均等に分布するはずです。ところが、実際の投資では成績上位者215人中40人がオマハ(バフェットの住む町)の住人になります。
オマハへの成績上位者の偏りを知った場合、オマハで何が起こっているのか調べたくなるはずです。実際、この成功した投資家グループには、共通の長、ベンジャミン・グレアム(バフェットの師匠)がいました。
さらに詳細のデータはコロンビア大学のサイトを参照してください。
つまり、バフェットは投資で勝ち続ける再現性の高い手法(バリュー投資)があることを説明しています。
再現性のある投資手法は存在する
バフェットが1984年に言及しているように、投資で高いリターンを得る再現性の高い方法は存在すると考えています。どの方法が再現性が高いかについては、個人で判断するしかありませんが、少なくとも
- バフェットのバリュー投資(一般に言われる割安株投資とは異なる)
- S&P500への積み立て投資
については再現性があると考えています。
まとめ
ツイッターや書籍で紹介されている投資手法について、勝利しているのが偶然である可能性も考えましょう。
再現性の高い投資手法は存在します。
再現性が高い方法の中で、バフェットのバリュー投資は難易度が高いですが、S&P500への継続積み立てなどはとても簡単です。少なくとも一部の投資資金は積み立てしましょう。