以前の記事で、5年連続で営業利益率20%以上かつ、5年連続売上高成長の企業を紹介しました。
その中で株価が割安だったジャストシステムについて分析しましたので紹介します。
この記事を読むと、ジャストシステム株の良い点、心配事を理解できます。
ジャストシステムは何の会社?
ソフトウェアの企業。
最近は教育系のスマイルゼミで業績が好調の様子ですが、事業ごとの業績は公開されていません。
もともとジャストシステムは日本語ワープロソフトの「一太郎」や日本語入力システムの「ATOK]が有名でした。
Microsoftの「ワード」などに押され、2000年代前半に業績は悪化しており、2009年にキーエンスの傘下に入っています。
キーエンスは工場自動化装置メーカーで、営業利益率50%超えや従業員の平均年収が2000万円超えなどで有名です。
現在のジャストシステム社長はキーエンス出身で、ジャストシステムの以下の特徴はキーエンスそっくりです。
- 従業員の平均年収が高い(2021年度:1309万円)
- 業績に連動した業績賞与が社員に与えられている
- 営業利益率が高い(20021年度は41%)
- IR情報の開示に消極的
名前はジャストシステムのままですが、実態はIT業界のキーエンスとなったように見えてます。
買いたい理由
直近の売上高・営業利益が右肩上がり
売上高・営業利益が2017年ごろから右肩上がりで魅力的です。

営業利益率が一貫して高い
2014年以降、営業利益率は20%以上
2020年からは30%を超えており、改善を続けている

キャッシュリッチ
2014年以降の業績推移ですが、現金同等物が売上高を上回るほど(580億!)に膨れ上がっています。

キャッシュをうまく使えていない可能性もありますが、企業買収などに振り向けることはできそうです。
割安
2022年3月期の営業利益が170億円
2022年12月28日の時価総額が1800億程度
キャッシュリッチの無借金企業が高い成長力を示していながら、営業利益の10倍程度の時価総額なので割安と判断しています。
ちなみに親会社のキーエンスは2022年12月28日時点で時価総額12兆円超え、日本4位です。PER38倍なので手が出ません。
心配事
売上上昇はこれからも続くか?
売上上昇が鈍化しているように見えます。
教育事業が好調のようなのですが、継続していけるかが気になります。
IR情報の開示に消極的
事業ごとの業績や売り上げ予想など、IR情報の開示が少ないです。
IR情報の開示が少ないのは親会社のキーエンスも似ていますが、長期投資の判断を行いにくいです。
情報を開示してしまうと、どの商品・サービスが好調か競合企業に分かってしまうため、開示しないメリットもあるのですが、長期投資の視点からするともう少し開示してほしいです。
購入判断
実は2022年12月22日に500株@2866円で購入していました。
成長中のIT企業にしては魅力的な水準でした。
キーエンスをPERが15倍程度で買えると思うとお買い得と考えています。
利益確定ライン
IT業界は派手なので、PER40倍程度はあり得ると思っています。
成長とのバランスを見ながらPER40倍程度になった場合に利益確定したいです。
IR情報が少ないので、成長鈍化の判断が難しいです。
損切ライン
売上高成長が前年割れを2回連続続く見込みなら損切します。