利益率が高ければ不景気でも安全?コロナショックで赤字転落した企業から見る分散投資の大切さ

データ分析

利益率が高い会社は簡単には赤字転落しないイメージがありますが、実際のところどうなのでしょう?

この記事ではコロナショック(不景気)で赤字転落した企業の傾向を紹介します。

この記事を読むことで分散投資の大切さがわかります。

データ

2014年から2021年の財務データをIR BANKから取得しました。

その中から、2020年は黒字で2021年は赤字転落した企業を抽出しました(274社)

コロナショックで赤字転落した企業のショック前の営業利益率

コロナショックの影響は2021年の決算に反映されている会社がほとんどです。

営業利益率が低い会社は利益の余裕度が少ないので、赤字転落しやすいように思います。

2021年に赤字転落した企業は、2020年の営業利益率はどのようなものでしょうか?

グラフの縦軸は企業数、横軸は営業利益率を表します。
左側は2021年に赤字転落した企業の2020年の営業利益率のヒストグラム
右側は2020年のすべての企業の営業利益率のヒストグラム

営業利益率のヒストグラム:左=2021年に赤字転落した企業の2020年利益、右=2020年のすべての企業の利益

すべての企業の利益(グラフ右半分)に比べ、赤字転落した企業(グラフ左半分)は明らかに、利益率が低いほうに偏っています。

すべての企業ではありませんが、営業利益率が高い企業は赤字転落しにくい傾向はありそうです。

利益率が高く、大きい会社なのに赤字転落したのはどんな会社?

2020年に利益率が10%以上あるにもかかわらず、2021年に赤字転落した会社は21社あります。

売上高が小さい会社だと、利益もばらつきそうですが、大きい会社で赤字転落した会社は気になります。

2020年に売上高1,000億円以上で、利益率10%以上あったのに、2021年に赤字転落した会社は6社あります。

  • 第一興商(7458):カラオケ、飲食店
  • 京成電鉄(9009):鉄道
  • 東日本旅客鉄道(9020):鉄道
  • 西日本旅客鉄道(9021):鉄道
  • 西武ホールディングス(9024):鉄道、ホテル
  • 九州旅客鉄道(9142):鉄道

6社中5社は鉄道会社ですが、安定しているイメージがあっても、何が起こるかわからないですね。

卵は一つのカゴに盛るな

ということなのでしょう。

まとめ

2020年は黒字で2021年は赤字転落した企業は274社

営業利益率が低いと赤字転落しやすい傾向はあります。

ただ、2020年に売上高1,000億円以上、営業利益率10%以上でも2021年に赤字転落したのは6社あります(主に鉄道会社)。

分散投資は大切です。

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